子供がほしいと思えない主婦
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結婚5年目の30代主婦です。
世間ではもう私の歳だと小学生の子供がいて当然、のような歳ですが、まったく子供が欲しくありません。
子供が嫌いという訳ではありませんが、取り立てて欲しいと思った事がないのです。
街で見かける赤ちゃんとか、テレビで赤ちゃんが映ると「可愛いなあ」と普通に思うのですが、自分が子供を持つとなると話が別です。
全然、まったく欲しくないのです。
子供が出来たら、仕事も辞めなくてはいけなくなるし、
すると経済的に少しつらくなるし、好きな時に遊びに行けなくなるし、好きなお酒やたばこもやめなくてはいけないし‥‥
色々考えると、子供を産むことは、自分にとってまったくメリットを感じません。
私のような考え方はマイノリティーだということも分かっているので、この考え方は誰にも、夫にも話したことはありませんでした。
そして、夫に黙ってピルを飲み続けていました。
夫の両親や、私の両親、そして夫は子供を熱望しています。
無邪気に「早く孫の顔が見たいね」という両親や、「子供欲しいな」という夫に対しては後ろめたさを感じてはいましたが、
仕事をやめたり、生活を子育てに切り替えるというふんぎりがなかなかつかず、もう少しだけ、もう少しだけ夫婦だけで自由に暮らしたいと思っていました。
だいたい、出産・子育てなんて女の方が負担が大きいのに、なぜ女性の「産みたくない」という主張はマイナスな印象を持たれがちなのでしょうか。
私のマンションの御近所さんはみな子供連れで、いつも夫婦でいる私たちを不思議そうに見ているような気もします。
まあ、人は人、自分達は自分達で楽しく暮らせれば構わない。
そう思っていました。
ある日、夫に「大切な話がある」と言われました。
居間に座らされて「どうして子供が欲しくないのか」と夫に問い詰められました。
どうやら、こっそり捨てたつもりのピルが見つかってしまったようでした。
夫は、自分と同じ気持ちで子供を熱望していなかったことへのショックと、自分がずっと騙されていたことへのショックで、私に対して不信感をつのらせていました。
私は、子供を持つと、経済的にも時間的にも、今までのような自由が利かなくなることを、出産・子育ては女の方が負担が大きいこと、まだ欲しくないことを、夫に初めて訴えました。
夫は一旦は納得してくれましたが、とてもショックだったようで、しばらくまともに口をきいてくれませんでした。
あまりの夫の落胆ぶりに、「ひょっとして、ここからこじれて離婚するかもしれない」とも思いました。
もしも夫が「子供をつくれないなら離婚しよう」と言ってきたら、素直に従おう、と覚悟もしました。
「結婚=子作り」で「だめなら離婚」というのは、古い考え方かもしれませんが、実際夫の実家は後継ぎは必ず必要だとか、そういう古い考えを持っているのです。
なので、夫が離婚を持ち出してくるのは可能性としては大、でした。
夫との生活が冷えきってしまい、ピルを使う必要もなくなったので、ピルをまとめて捨てました。
夫と会話がない間、本当に離婚しても構わないのか、子供を作るのはそれほどいやなのかじっくり考えてみました。
たぶん、子供ができたら、それ相応に可愛がるだろうなと思いました。
子供が出来たら、今まで好きな時に遊びにいけたけど、これからは行けない……どうしても行きたい時は、両親に預けていくとか……
経済的につらくなったら、また子供が小学校にあがった時にパートに出るとか……
気が付いたら、子供が出来た後の生活を、具体的に想像している自分がいました。
そして、「別に産んでもいい」という心境に至りました。
そして、去年、子供を授かりました。
子育ては大変ですが、可愛く、とても楽しい毎日を送っています。
出産に躊躇している方、迷っているなら「産むがやすし」だと思いますよ。